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[No.2076]

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「島ネタCHOSA班」2025年02月27日[No.2076]号



 八重瀬町にナカマ工房というユニークなお味噌(みそ)屋さんがあるので行ってみてもらえませんか?

(50代 匿名希望)

八重瀬町のユニークな手作り味噌工房!?

 さっそく聞き込みを開始しましょう! ご実家が八重瀬町にあるという野菜ソムリエプロ・野原長乃さんに聞いてみると、「TSUNAGUYAESE」というイベントに「ナカマ工房」が出店するという情報が。八重瀬町役場町民ホールでの同イベントに足を運んでみると、ナカマ工房のブースには主力商品の「玄米みそ」のほか、玄米おにぎり、かつおぶし粉、塩、よもぎの粉など独自の商品が並びます。毎月2回、受講者と共に味噌をつくって琉球家庭料理を食べるワークショップも開催しているそうなので、行ってみました!

ワークショップも開催

 八重瀬町長毛にある「ナカマ工房」に着くと、子どもから年配者まで約10人の受講者に囲まれて、同工房の名嘉眞みどりさん(製造・販売担当/栄養士)が座学、味噌作り、デモンストレーション、ランチ(琉球家庭料理)を展開していました。

 「材料にこだわったら黒字出せないし、売り上げにこだわったらうまくいかない。開き直って楽しくやったらうまくいった。年金あるし、子育ては終わっているし、生活はどうにかなる」。気取らない素顔トークに参加者は笑います。

 味噌作りの場面では「味噌に入れている玄米は発芽するものを使っていますよ。麹は生きているから呼吸します。容器のふたは飛ぶこともあるから気を付けてね〜」などと、わかりやすく説明。

 浜元風花さん(4歳)と参加した母親の美香さんは「(みどり)先生から『子どもも一緒に来ていいよ』と言われて子どもと来ました」とほほ笑みます。ワークショップ最後のランチタイムでは、色鮮やかな味噌料理が登場。「いつもの料理に味噌を組み合わせてね。2つの味噌を混ぜて使ってもいいよ。私は、みそ汁は自分の味噌を使って、料理は人からもらった味噌を入れているよ(笑)。おいしく楽しく味噌を食べるのが大事」と名嘉眞さん。

独学で味噌作り30年

 先出の野原さんは、自身の料理教室でもナカマ工房の味噌を使用。「みどりさんの味噌は味の深さが全然違う。ちゃんと熟成されているから本当においしい」と推します。

 「南の駅やえせ」の八重瀬町観光物産協会事務局長兼館長の久手堅誉さんは「ナカマ工房さんの味噌を目当てで買いに来るお客さまがいます。南の駅は八重瀬町の野菜や特産品を販売しており、令和6年度は約25万人が来館。オーガニック食材や食物アレルギー対応食など、今後も住民のニーズを取り入れながら地元の商品をPRしていきたいです」と話します。

 独学で味噌作りをはじめて30 年、今や年間約千個の手作り味噌を販売。「小遣い稼ぎで簡単に始めちゃったけど味噌は大変です(笑)。私は寝たらすぐ忘れるし諦めも早い。何でもチャレンジするし、合わなければすぐやめる。そんなんだからここまで来れたはず」と笑います。今日もナカマ工房には笑い声がこだまします―。



ナカマ工房
☎098(998)7273
※向陽高校の信号から住宅地側に入ってすぐ右手

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“八重瀬町のユニークな手作り味噌工房!?"
ナカマ工房の「玄米みそ」
“八重瀬町のユニークな手作り味噌工房!?"
野原長乃さん
“八重瀬町のユニークな手作り味噌工房!?"
名嘉眞みどりさん
“八重瀬町のユニークな手作り味噌工房!?"
味噌をふんだんに使った琉球家庭料理
“八重瀬町のユニークな手作り味噌工房!?"
久手堅誉さん
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