沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.2013]

  • (木)

<< 前の記事  次の記事 >>

「ワシントコポスト」2023年12月07日[No.2013]号

このエントリーをはてなブックマークに追加

 今週のワシントコポストでは、読者の皆さんから募ったクリスマスエピソードをご紹介します。

あわてんぼうのサンタクロース

 長女が小学校3年生の頃、子ども4人分のクリスマスプレゼントを用意して、祖母の部屋に隠してありました。長女が工作などして遊んでいると、のりが必要になったらしく、「ばぁちゃんの部屋にあったはず」と。4人分のプレゼントを発見されてしまいました…。

 「おかあさーん!! ばぁちゃんの部屋にクリスマスプレゼントがあったよ」と驚いた様子の長女。何と言ってごまかそうか、それとも本当の事を話そうかとあたふたしていたら、「あわてんぼうのサンタさんって本当にいるんだね!!」と、純粋な長女に救われたのでした。

(那覇市 まりぃ)

(編コメ)お嬢さんの純真な言葉に心が洗われます。子どもってすごいですね!! 逆に、まりぃさんの方がいい思い出のプレゼントをもらいましたね。

クリスマスキャロル

 子どもの頃の温かい思い出です。

 クリスマスの頃に、どこかで歌声が聞こえてきました。それは聞いたことのないクリスマスの歌でした。

 歌声が近づいてきたので、外に出てみました。アメリカの方々や外国の方々がクリスマス・キャロルを歌っていました。

 それはすてきな歌声でみなさんの笑顔も輝いていました。

 私の住んでいた所にクリスマスキャロルを届けてくれて、ありがとう。

(沖縄市 りんご)

(編コメ)歌は国境を超えて、愛や平和を届けてくれそうな気がしますね。温かいエピソードをありがとうございました。

クリスマスの思い出

 数年前のクリスマスの日の出来事です。

 当時、幼稚園の園長をしていた私は、クリスマスパーティーを盛り上げようとサンタの格好で「良い子の皆さん! メリークリスマス!!」と書いた横幕を掲げて園児たちの前へ登場。

 すると、前列のYちゃんが「サンタさんは園長先生でしょ。スリッパを見てわかったよ」と言ったのです。それを聞いてはじめは驚いたのですが「私のスリッパを覚えてくれていたんだ」と思うとうれしくなり「Yちゃん、すごいね」と頭をなでてほめてあげました。

 本物のサンタではなく園長サンタからのプレゼントでしたが園児たちは大変喜んで、歌やダンスを披露してくれました。

 クリスマスが来るたびにあの日の出来事を思い出すと、幸せな気分になります。

 

(那覇市 しろまけいこ)

(編コメ)Yちゃんがしろまさんのことを大好きだったことが伝わってくるエピソードですね。編者も幸せな気分になれました。読者の皆さんもほっこりしてください。

ケーキカット

 最近わが家では、クリスマスケーキは家族で手作りしています。スポンジケーキに大好きな果物を飾り付けて仕上げます。

 電気を消してクリスマスソングを歌い、小さな孫はかわりばんこにローソクを吹き消します。その後カットしたケーキをジャンケンで取り分けます。ジャンケンに負けるとくやしくて泣き出したり、大人も子どもも真剣勝負です。8人のジャンケンは順番が決まるまで大騒ぎです。毎年のことですが、何よりも盛り上がる時間です。

 

(北谷町 染矢真理子)

(編コメ)家族でわいわいと楽しそうなクリスマスの光景ですね。8人が真剣勝負で取り合うフルーツケーキの味を想像して、編者もよだれが出そうになってしまいました(笑)。お孫さんたちはそんなケーキが毎年食べられて、幸せですね。

イルミネーションはなくても

 12月になったある日「じじ、玄関かベランダにキラキラがないとサンタさんは来ないよ」と3歳の孫がイルミネーション欲しさに言っていた。

 じじは「子どもがいるお家は、サンタさんには分かるんだよ」「どうして!?」「パパかママが前もってお願いしてあるから」「予約?」じじは爆笑。イルミネーションはなくても、孫はサンタさんから届いた着せ替え人形でうれしそうに遊んでいました。じじは「いい子にしてる子はちゃんと分かるんだよ」と。

 孫たちに背丈も越され、元気や楽しみをたくさんもらったじじとばばは、お返しに何のプレゼントをしようかしら?

 

(那覇市 ババリン)

(編コメ)愛らしいお孫さんの発想や会話にクスリとさせられました。子どもって、本人たちは自覚していなくとも、プレゼントした以上のものを大人にきっちり返してくれるものですよね。

私のクリスマスツリー

 クリスマスって何だろう。何かの雑誌で見た。寒い外国の子どもたちが、お菓子やおもちゃのプレゼントをもらう日らしい。「もみ」という木に星や鈴を飾るクリスマスツリーというものがあるらしい…。

 今から60年ぐらい前になるでしょうか。とある町へ行った日のこと。店先に白いひげのおじいさんのお面とお菓子の入った袋を見かけた。おじいさんはサンタクロースといって、子どもたちにプレゼントを配る人らしい。その頃、父と母は朝から晩まで働きづめ、プレゼントといえば年に一度の運動会のズック。町の子たちはお菓子を買ってもらっているのだろうか。

 ある日畑に行くと、途中見つけた大きな松の木がツリーに似ていた。「父ちゃん、クリスマスツリー飾りたい」。父はしぶっていたが、私の背丈と同じぐらいの松の木を持ってきて、はぎれをさいてリボンに、おばあのタバコの包み紙を切って星に、脱脂綿を雪に…。指先はすっかり冷え切っていた。ほつれた糸が風に揺れるリボン、銀紙がかすかに光る星、見たこともない雪が枝先にふわり。完成! でーじうれしかったのを覚えている。クリスマスってこんなにすてきでうれしい日なんだと答えを見つけた私でした。

 

(名護市 ボロボロジューシー)

(編コメ)クリスマスがまだ珍しかった時代の思い出を、小説のようにやさしくいきいきした文章でつづっていただきました。父ちゃんサンタが工夫しながら手作りしてくれたツリー、何よりすてきなプレゼントだったことでしょう。言葉の合間から、ツリーの姿が浮かんでくるようでしたよ。

 ほかにも、たくさんのお手紙を送っていただきました。ありがとうございます。今回掲載しきれなかったものは、次号以降のワシントコポストでも引き続き紹介していきます。お楽しみに!

>> [No.2013]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>