「島ネタCHOSA班」2013年05月16日[No.1467]号
沖縄のオクラには、沖縄出身のアイドルグループの名前が付いたものがあると聞きました。うわさなので名前も分かりませんが、調べてもらえないでしょうか?
(名護市 20代 サリーさん)
「フィンガー5」の島オクラ?
沖縄のアイドルグループの名前が付いたオクラですか? DA PUMP?(ちょっとかっこいい)。MAX? SPEED? うーんそのようなうわさは聞いたことがありませんねぇ。野菜の品種ということであれば、やはりカタカナのものが予想されますが、どうなのでしょう? 早速、調査してみます。
英語から命名
JAおきなわの営農指導員に紹介され、南城市大里にある有限会社フタバ種苗卸部にやってきました。
品種名は、種を開発した企業が自由に付けられるようです。どうやら同卸部がうわさのオクラの種を開発したとのこと。そんなわけで、同社販売部部長の四海(しかい)健一さんにお話を聞いていきましょう。
まず、沖縄のオクラには沖縄出身のアイドルグループの名前が付いたものがあるというのは本当ですか?
「はい。多分『フィンガー5』のことだと思います」
「フィンガー5!?」。1970年代に活躍した沖縄出身の5人きょうだいグループですか? 懐かしい〜♪ しかし、オクラになぜそのような名前が付いたのでしょうか?
「えーと、実は歌手グループはあまり関係ないんです。もともとオクラの原産はアフリカですが、それがヨーロッパやアメリカまで広がり、英語で『レディーフィンガー』と呼ばれていたそうなんです」
レディーフィンガー? オクラなのに?
「はい。レディーは女性、フィンガーは指。細くて長い女性の指に例えてそう付けられたと聞いています。『フィンガー5』は5角オクラなので、フィンガーに5を付けました」
そうなんですか。「フィンガー5」はいつごろ開発したのですか?また、他のオクラとの違いを教えてください。
「フィンガー5を開発したのは7〜8年前です。肉厚なので食感が良いです。オクラは寒さに弱い野菜なので、ひんやりとした空気にあたるとイボができてデコボコした形になることがあります」
なるほど〜。話によると、「フィンガー5」の収穫期間は4月半ば〜11月半ばまでと長く、収量が多くて丈夫なのだそうです。根っこが強いのでイボもできにくく育てやすいことから、石垣島には多くのフィンガー5の農家さんがいるとのこと。これは驚きです。
そもそも、普段食べているオクラの品種すら分からない…。四海さん、県内のスーパーなどで多く販売されているメジャーなオクラはどのようなものなんですか?
「スーパーでは海外のものもありますし、一概には言えませんが、島オクラはたくさんありますよ。特に沖縄の人には丸形のオクラが好まれているように思います」
丸形のオクラは「沖縄島オクラ」や「島の唄」などもあるようです。「島の恋」や「レッドサン」という赤いオクラもあると聞き、調査員ビックリ!(辛そう)。「ブルースカイ」はシリーズがあり、普通のブルースカイと「ブルースカイZ」「ブルースカイG」など戦隊ヒーローのような名前もあります。県内だけでもたくさんの種類があるんですね〜。
新品種も登場?
県内のオクラに関して驚くことばかりだった調査員。四海さん、今後も島オクラの種類は増えていくのでしょうか?
「増えていくと思いますね。その証拠に2013年1月から既に新品種の販売がスタートしています。名前は『ビッグフィンガー』です。『フィンガー5』に比べてすごく大きいサイズです。20㎝ぐらいありますよ」
おぉ! そんなに大きいオクラは見たことがありません。いや〜島オクラがどんどん増えていっていることを実感しますね。
このような島オクラはどこで購入できるんですか?
「種は私たちのフタバ種苗卸部をはじめ、県内の農協の購買店やホームセンターの他、ネットショップなどで購入できます。実を置いているところはほとんどなく、数カ所の店舗で苗が買えるところもあります」
丈夫なオクラであれば、自分で育ててみるのもいいかもしれませんね。四海さんからフィンガー5の種をいただいたので、これを機に家庭菜園を始めてみようと思います。
それにしても島オクラは種類も豊富で奥が深いな〜。今後も目が離せません!